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競艇の出走表の見方を徹底解説|読む順番と目的別の勝ち方ガイド

競艇 出走表の見方|読む順番で勝率を上げるガイド

競艇の出走表を見ても、「どこを見ればいいのか分からない」と感じたことはありませんか?

数字と略語がずらりと並び、まるで暗号のように見えるあの表。

実は“順番”と“目的”を意識して読むだけで、勝てる舟券の確率が一気に変わるのです。

出走表は、選手の級別・勝率・モーター成績・スタートタイミングなど、あらゆる情報を詰め込んだ“競艇の設計図”。

しかし、項目の意味をただ覚えるだけでは不十分です。

重要なのは「どの情報をどう組み合わせて展開を読むか」。

出走表の見方を“戦略的に”使いこなせるかどうかが勝敗を分けます。

この記事では、出走表の全体構成から見る順番、そして目的別(堅実派・波乱狙い)でのチェックポイントまで、プロ目線で徹底的に解説します。

この記事でわかること
  • 競艇の出走表に掲載されている主な項目とその意味
  • 出走表を読む正しい順番と7手順の実戦的活用法
  • 堅実派と高配当狙いの目的別チェックポイント
  • 出走表を活用した3つの展開パターン分析のコツ
  • 出走表で起こりやすい誤った読み方・勘違いの具体例と正しい読み方
  • 展示情報やオッズとの組み合わせによる最終判断の手順
  • 出走表の知識を実戦で再現可能なスキルに変えるための習慣化のコツ

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競艇の出走表とは?まず全体像を30秒で把握

競艇の出走表とは?まず全体像を30秒で把握

このパートでは、競艇の出走表がそもそも何を示しているのか、そしてどんな情報をどの順番で理解すれば「勝てる舟券」に直結するのかを解説します。

初心者が最初につまずくポイントは、「情報が多すぎてどれが重要かわからない」という点。

まず出走表の構成と各項目の意味を“地図”として整理し、1枚の表を見ただけで全体像が頭に入る状態を作ります。

出走表に載っている主な項目

出走表に載っている主な項目

出走表には、レースの展開を予測するためのあらゆるデータが詰め込まれています。

下記のテーブルでは、その主な項目と意味をまとめています。

項目名 意味 ポイント
級別
(B2~A1)
選手のランクを示す
全国成績の指標
A1選手=安定して上位
B2=若手や実績不足
勝率
(全国・当地)
出走数に対してどのくらい
勝っているか
当地勝率が高い選手はその水面に
慣れている
モーター成績 モーター自体の性能を数値化
(2連対率など)
モーターは“選手の実力”よりも
レース結果に影響大
ボート成績 ボートの安定性や
直進性のデータ
出足・回り足に関係、
機力差の補足要素
平均ST
(スタートタイミング)
スタートを切る速さの平均値 小さいほど“速スタート”の傾向
F(フライング)に注意
F・L フライング(F)と
出遅れ(L)の回数
F持ちはスタートを控えるため
不利になりやすい
今節成績 直近開催での成績 モーターとの相性や
“乗れているか”を判断できる
早見レース 同枠での過去対戦・成績 相性や展開の傾向を読む手掛かり

上のテーブルを押さえることで、出走表を見るときに“どの情報を基準に判断すべきか”が明確になります。

とくに初心者のうちは、「級別」「勝率」「モーター成績」の3つに注目するだけでも、買い目の精度が一気に上がることを覚えておきましょう。

出走表の情報は“静的データ”である

ここで重要なのは、出走表に載る情報は「過去の実績」や「直近の傾向」など、あくまで静的データだという点。

つまり、出走表そのものだけでは「今節での上昇気配」や「整備後の仕上がり」は読み取れません。

したがって、出走表は「基礎情報」であり、展示航走や気配コメントなど“動的データ”と組み合わせることで初めて完成形になるという理解が大切です。

見る順番を意識するだけで精度は変わる

たとえば、全国勝率や平均STだけを見て“この選手が強そう”と判断してしまうのは危険です。

実際のプロの予想家は、「級別 → 枠 → モーター → 平均ST → 今節成績」のように、出走表を“読む順番”まで決めています。

順番を誤ると情報の重みづけが狂い、最終的な展開予想の精度が下がるからです。

競艇の出走表を読む順番|初心者でも迷わない7手順

競艇の出走表を読む順番|初心者でも迷わない7手順

このパートでは、出走表をどの順番で見れば最短で“勝てる情報”を掴めるのかを解説します。

多くの初心者は気になる項目から何となく見てしまいがちですが、それでは情報の重みづけがズレてしまいます。

出走表は“読み順”こそが本質。

プロの予想家も、一定の手順に沿ってチェックしています。

ここでは、初心者でも迷わず使える7ステップの実戦順序を紹介します。

出走表の7手順とは?

以下のリストは、出走表を読むときの“基本の型”です。

  1. 級別(B2~A1)を確認し、選手の力量を把握する
  2. 枠番と進入想定でコース有利を確認する
  3. 全国・当地勝率で実力と水面適性を判断する
  4. モーター成績(2連対率など)で機力の旬を掴む
  5. 平均ST(スタートタイミング)とF/L情報でスタート傾向を読む
  6. 今節成績・コメント欄で直近の調子を補足する
  7. 早見レース(前走成績)で直近展開との相関を確認する

この順番を守ることで、展開の見立てが格段に正確になります。

各ステップで意識すべきポイント

次に、それぞれの手順で“どこに注目すべきか”をもう少し掘り下げてみましょう。

以下の表は、各項目が示す意味と「舟券判断にどう活かせるか」をまとめた実戦マップです。

手順 見る項目 意味・注目ポイント 判断にどう使うか
級別 A1〜B2のランク 実績・安定性を判断。
A1が多いレースは堅めになりやすい
枠番・進入 コースの位置取り 1枠=イン有利、
カド(4枠)は一発狙い
勝率 全国・当地の成績 全国は地力、
当地は水面適性を判断できる
モーター 機力の数値指標(2連対率) 近況の上位モーターは要警戒。
勝率より重要な場合も
平均ST/F/L スタート精度 平均STが速い選手は“攻め手”になりやすい
今節成績 開催中の流れ 連対率が上がっている選手は“乗れている”状態
早見レース 対戦傾向 同じ組み合わせでの展開パターンを確認できる

この表を見ながら出走表を読むことで、「何を重視すべきか」→「どの順に判断するか」という筋道が整理されます。

特に④モーターと⑤平均STの2つは、展開を左右する“読みの肝”。

勝率が低くてもモーターが強い場合、人気薄の一発が生まれることも珍しくありません。

競艇出走表の“目的別”チェックポイント|堅実派と高配当狙いの違い

競艇出走表の“目的別”チェックポイント|堅実派と高配当狙いの違い

このパートでは、同じ出走表でも「何を重視するか」で舟券の組み立てが大きく変わることを解説します。

出走表を正しく読めても、「どんな結果を狙うか」を明確にしていないと最適な判断ができません。

ここでは、“堅実に当てたい人”と“高配当を狙う人”という2つのスタイル別に、どの情報を重点的にチェックすべきかを整理します。

目的によって“見るべき項目”の重みは変わる

同じレースでも、狙い方が違えば「出走表のどこを見るべきか」も変わります。

堅実派は“信頼できる軸”を探す一方で、波乱派は“崩れる要素”を見抜く必要があります。

次のテーブルは、主要項目ごとの「重視度」をタイプ別に可視化したものです。

項目 堅実派(本命志向) 高配当狙い(穴志向) 荒天時の注目度
級別 ★★★ ★★
枠番・進入 ★★★ ★★ ★★★
勝率(全国・当地) ★★★ ★★
モーター成績 ★★ ★★★ ★★★
平均ST ★★ ★★★ ★★
今節成績 ★★ ★★
早見レース ★★
F/L/情報 ★★ ★★★ ★★★

★=重視度(3段階)

このヒートマップから分かるように、堅実派は「安定した要素(級別・枠・勝率)」を軸にし、高配当狙いは「変化やリスク要素(モーター・ST・F/L)」に焦点を当てます。

特に高配当を狙う場合は、“人気薄でも条件が噛み合う選手”を探す視点が重要です。

堅実派が重視すべき3つのポイント

堅実派が重視すべき3つのポイント

堅実派が注目したいポイントは以下の3つ。

  1. 級別と勝率で“地力”を見抜く
    A1選手がインコースにいる場合は信頼度が高く、外枠がA2・B1ばかりなら逃げ切り濃厚。この構図を早く掴むほど、展開読みがブレにくくなります。
  2. 枠番+進入想定でレース展開を固定する
    競艇の出走表は“枠有利”が基本。特に1号艇の信頼度は他の公営競技に比べて圧倒的です。ただし風や潮によっては2号艇・3号艇の差しが届くケースもあるため、気象条件を補足データで確認しましょう。
  3. 全国勝率と当地勝率の“バランス”を見る
    全国勝率は長期的な地力を示し、当地勝率はその水面への適性を示します。たとえば「全国6.00・当地8.00」の選手なら、“得意水面で上振れ中”と判断できます。

これらの3点を重視すれば、1着・2着軸を的確に選べる=回収率を安定化できるのが堅実派の基本戦略です。

高配当狙いが注目すべき3つのポイント

高配当狙いが注目すべき3つのポイント

高配当狙いが注目したいポイントは以下の3つ。

  1. モーター2連対率の”旬”を見抜く
    同じ数字でも、直近で交換されたモーターは“成績リセット直後”で実力が読みにくい。
    逆に、調整がハマって直近5走で上昇中のモーターは一発の可能性を秘めています。
  2. 平均STとF持ちの関係性に注目
    平均STが速くても、F持ち選手はスタートを慎重にするため、実戦では出遅れることも。
    この“数字と現実のギャップ”を突くのが穴狙いの妙です。
    特にカド(4コース)からのまくり展開は、波乱の典型パターン。
  3. 勝率よりも“今節成績と気配コメント”を信じる
    数字上の実績よりも、“今走の乗りやすさ”や“展示気配”が高配当の鍵になることがあります。
    出走表と同時に直前情報を確認し、「伸び型」コメントのある選手を軸に組むのも有効です。

堅実派は「数字の信頼性」で勝ちを拾い、波乱派は「数字のズレ」で利益を得る。

つまり出走表は、“どう勝ちたいか”によってまったく違う読み方になるということです。

まずは自分がどちらのタイプかを決め、そのうえで見る項目を減らすことを意識しましょう。

競艇出走表を使った実戦分析|3つのケーススタディ

競艇出走表を使った実戦分析|3つのケーススタディ

このパートでは、これまで説明してきた出走表の読み方を実際のレース展開にどう活かすかを具体的に解説します。

理屈で理解できても、実際のレースに落とし込めないと舟券にはつながりません。

ここでは「イン逃げ」「カド攻め」「荒天レース」という3つの典型パターンを題材に、出走表から何を読み取り、どのように展開を描くかを実戦レベルで分析します。

ケース1|イン逃げ本線の堅実パターン

競艇の出走表で最も多い構図が「1号艇A1選手 × 好モーター × 平均ST上位」という鉄板のイン逃げ型です。

まず確認すべきは以下の3点。

  1. 1号艇がA1またはA2選手であるか
  2. モーター2連対率が40%以上あるか
  3. 平均STが0.15前後で安定しているか

この条件が揃っている場合、1号艇の逃げ成功率は70%超に達します。

さらに、2号艇・3号艇のスタート順に差がある場合は差し・まくりの可能性が低く、より信頼度が高まります。

注目項目 読み取り方 舟券の考え方
級別 1号艇A1・2号艇A2以下 1=本命軸として信頼できる
モーター 1号艇が高勝率モーター 相手はモーター好調な2・3を中心に
平均ST 1号艇が最速 スタート決まれば逃げ切り濃厚

このパターンでは「1–2–3」「1–3–2」などの組み合わせが鉄板。

ただし、1号艇がF持ちの場合はスタートを控えるため、差し展開が生まれる点に注意が必要です。

ケース2|カド攻め起点の波乱パターン

出走表で注目すべきは「4号艇の平均ST」と「モーター成績」。

ここに“噛み合い”があると、波乱の火種になります。

4号艇がA2クラスでも平均STが全体最速(例:0.12)で、モーター2連対率が高ければまくり一発の可能性が高いレースです。

注目項目 読み取り方 狙い目
平均ST 4号艇が0.12〜0.14台 スタート一気の攻め筋
モーター 4号艇が40%超 機力差で伸び優勢
枠構成 1号艇A2・2号艇B1など 内側が脆い場合はチャンス拡大

このパターンでは「4–5–6」「4–1–5」などの組み合わせで高配当を狙うことが可能。

出走表上では見えにくい部分ですが、STとモーターの噛み合わせを読むことで、人気薄でも狙える展開を導けます。

ケース3|荒天・向かい風時の出走表読み替え

強風や波がある日は、出走表の数値をそのまま信じてはいけません。

特に平均STや勝率データは“静水面前提”であり、風向や水質の変化で展開が逆転することもあります。

荒天時に重視すべきポイントは以下の3つ。

  1. ボート・モーターの“安定型”を優先する
    →直線よりも“回り足型”モーターが有利。2連対率よりも「今節成績」で安定した動きをしているかを見る。
  2. スタート速い選手よりも“スリット安定型”を重視
    →荒れ水面ではスタートが揃いやすく、平均STの優位が縮まる。フライング癖がない選手の方が信頼できます。
  3. 外枠(5・6号艇)の伸びを見極める
    →向かい風時は助走距離が取れる外枠が伸びやすく、4カド→5差しの形が生まれやすい。

これまでの3ケースをまとめると・・・

  • イン逃げ型:勝率・級別・平均STを重視
  • カド攻め型:ST+モーター成績の“噛み合わせ”に注目
  • 荒天型:静的データを修正し、今節成績・外枠を重視

3つのケースを通して言えるのは、出走表は「数字を読むもの」ではなく「展開を想像するための設計図」だということ。

プロが出走表を見る際も、「この数字がどう動くか」を想定して予想を組み立てています。

つまり、出走表を“過去データ”ではなく“未来を描く地図”として使えるようになれば、買い目の精度は格段に上がるのです。

競艇出走表の落とし穴と勘違い例|誤った読み方→正しい読み方へ

競艇出走表の落とし穴と勘違い例|誤った読み方→正しい読み方へ

このパートでは、出走表を読み慣れてきた人が陥りやすい“勘違い”と“誤用”を整理します。

数字やデータは一見客観的ですが、意味を取り違えると逆効果になることも・・・

ここでは代表的な4つの誤った読み方のパターンを挙げ、それぞれに対する“正しい読み方”を示します。

出走表の誤った読み方①全国勝率だけを見て“強い選手”と決めつける

出走表の全国勝率は「実力」を示す基本データですが、水面の特性やモーターの影響を含んでいません。

たとえば淡水のびわこや戸田で勝率を上げている選手が、海水の徳山・芦屋では苦戦するケースもあります。

つまり、全国勝率は「選手の地力」を測る目安ではあっても、“水面適性”や“機力相性”を補う情報ではないのです。

正しい見方は、全国勝率と当地勝率をセットで見ること。

両者の差が大きい場合(全国6.5/当地4.8など)は、水面適性が低いと判断できます。

逆に当地が高ければ、「この水面で走り慣れている」と考えられます。

出走表の誤った読み方②全国勝率だけを見て“強い選手”と決めつける

平均STが速い=好スタートの印象がありますが、ここにはフライング(F)や出遅れ(L)のリスクが隠れています。

F持ち選手は再度フライングを避けるため慎重に出る傾向が強く、結果的に「平均STよりも遅れる」ことがあります。

状況 平均ST 傾向 注意点
Fなし 0.13 スタート安定型 素直に速さを評価できる
F持ち1本 0.12 実践では+0.03〜0.05遅れる傾向 “数字より遅い”可能性大
F2以上 0.11 慎重発進型 攻め手になりにくい

平均STは“相対的な速さ”ではなく、“攻め意識の強さ”を示す指標と捉える。

他艇とのバランスを見て、最速STとの差を重視すると、展開予測がより現実的になります。

出走表の誤った読み方③モーター2連対率=現在の性能だと思い込む

モーター2連対率は、そのモーターが使われた全レースの成績を示す“累積データ”です。

つまり、前節までの使用者・整備状態が反映された“過去の成績”であり、現時点の性能とは限りません。

特に節の初日などは、モーター整備や部品交換で大きく変化します。

モーター成績を確認したら、必ず「今節成績」や「展示タイム」と照らし合わせること。

過去データが良くても展示タイムが落ちている場合は“旬を過ぎた”可能性が高いでしょう。

逆に低勝率モーターでも、整備後に気配が良ければ狙い目です。

出走表の誤った読み方④当地勝率の母数を確認せず信じてしまう

出走表にある「当地勝率」はその場での成績ですが、出走回数が極端に少ないと信頼度が低いです。

たとえば、当地勝率が8.00でも出走が2回しかないなら単なる偶然。

10走以上のデータがあってこそ“安定した適性”といえます。

当地勝率を見るときは、出走回数10走以上を目安に。

データが少ない選手は、全国勝率と今節成績で補うのがセオリーです。

競艇出走表と展示・オッズの関係|直前情報へのつなげ方

競艇出走表と展示・オッズの関係|直前情報へのつなげ方

ここでは、出走表で得た“静的データ”をどう展示・オッズと組み合わせて最終判断に落とし込むかを解説します。

出走表だけで判断するのは、いわば「レシピだけを見て料理を作る」ようなもの。

最終的な味=結果は、直前の展示情報(動的データ)とオッズの偏り(市場データ)を加えることで完成します。

このパートでは、出走表→展示→オッズという流れを“判断の更新プロセス”として整理していきます。

展示情報で“今の仕上がり”を上書きする

展示は出走表のデータを現在のコンディションで再評価するための場。

モーター2連対率が高くても、展示タイムが悪ければ整備不調や回転ズレの可能性があり、逆に勝率が低くても展示タイムが抜けていれば“上昇気配”と見ます。

項目 内容 判断ポイント
周回展示 旋回性能・乗りやすさ “ターンでの安定感”がある選手を評価
スタート展示 スリットの出足・行き足 伸び型 or 出足型の判断に使う
展示タイム 直線の伸び 数字が速いほど“伸び足良好”の傾向
チルト角度 ボートの傾斜設定 正の角度で伸び型、負の角度で回り足型
コメント欄 選手の体感 “伸びが良い”“乗りやすい”は信頼指標

展示情報の目的は、「出走表での数字を直前の実走状態で更新する」こと。

出走表が“過去の基準”なら、展示は“現在の温度”。

この2つを並べて見比べることで、調子の波を先読みできるようになります。

オッズは“他人の出走表の読み方”を映す鏡

オッズは「市場の集合知」とも言えます。

多くのファンが出走表をどう解釈したか、その平均値がオッズとして表れる。

つまり、オッズは“他人の出走表の結論”を数値化したものです。

ただし、すべてのオッズが合理的とは限りません。

特に人気集中型レースでは、情報が偏った“過剰評価”や“見落とし”が起きます。

たとえば以下のようなケース。

状況 市場の誤解 狙い方
1号艇A1×好モーター 「逃げ鉄板」と過信 F持ちや平均ST差でリスクあり
4号艇平均ST最速 「攻めすぎてF恐怖」 実は差し展開で2着固定の妙味
モーター低勝率 「買えない」と敬遠 整備明け・展示好タイムで逆転可能

オッズは“読むもの”ではなく“利用するもの”です。

他人の判断を材料にし、自分の予想と乖離している箇所を探す。

この“市場とのズレ”こそが、高回収率を生む最大のヒントになります。

出走表×展示×オッズを組み合わせた最終判断フロー

ここでは、3要素をどのように統合して舟券を決めるかを段階的に整理します。

以下のリストは、プロの予想家が実際に行う“直前判断の流れ”を簡略化したものです。

  1. 出走表で軸候補を仮決定
    →例:A1選手+高勝率モーター=1号艇を本命仮定
  2. 展示タイム・周回展示で“現状の仕上がり”を確認
    →タイム悪化・旋回不安定なら軸再考
  3. オッズで人気バランスを確認
    →“実力より過剰人気”な選手を避け、“実力より不人気”を狙う
  4. 気配コメントで微修正
    →「伸びてる」「合ってない」など、仕上がりの感触を補正
  5. 買い目を最終確定(フォーメーション化)
    →1-234-234など、展開に合わせて組み合わせる

この5ステップを踏むだけで、出走表を単体で読むよりも的中率・回収率ともに上がるはずです。

競艇の出走表の見方まとめと実践への活かし方|“見るだけ”から“勝てる読み”へ

競艇の出走表の見方まとめと実践への活かし方|“見るだけ”から“勝てる読み”へ

ここまでの解説で、出走表の構造から読み方、目的別の使い分け、そして展示・オッズとの組み合わせまでを一通り整理してきました。

この最終パートでは、学んだ内容を“知識”で終わらせず、実際のレースで使えるスキルに転換する方法をまとめます。

出走表を「なんとなく眺めるもの」から「勝ち筋を描くツール」に変える。

これが、プロとアマの分かれ道です。

出走表を読む“型”を身につける

出走表の情報量は多く、毎回すべてを追っていては時間が足りません。

だからこそ大切なのは、自分なりの“読む型”を固定すること。

たとえば以下のような3ステップで整理すると、どんなレースでも短時間で分析が完結します。

  1. 基礎確認
    →級別・勝率・枠番で、レース全体の地力バランスを把握。
  2. 展開仮説
    →平均ST・モーター成績から、攻め手と受け手を決める。
  3. 最終判断
    →展示・オッズで“数字を上書き”し、買い目を具体化する。

これを「5分チェックルール」としてルーティン化すれば、1日何レース見ても判断の軸がブレません。

出走表は慣れではなく“構造理解”で速く読む。

これが上達の最短ルートです。

“予想の筋道”を文章化して整理する

出走表を使った分析では、「なぜその買い目に至ったか」を言語化できるかどうかが重要。

たとえば、「A1選手でイン逃げ」「モーター上位」「平均ST優勢」という根拠を3点セットで書き出すだけでも、思考のブレを防げます。

プロ予想家ほど、実は“書く”ことで精度を上げています。

紙やメモアプリで出走表を見ながら、以下のように記録していきましょう。

項目 チェック内容 自分のメモ例
級別 A1中心 「実力差明確で堅め」
モーター 2号艇高性能 「伸び気配あり。逆転注意」
ST 3号艇最速0.12 「攻め手候補」
今節成績 1号艇上昇中 「連勝中でリズム良」

こうして根拠を整理しておくと、「結果の理由」も明確になり反省と再現ができる“PDCA型の舟券力”が育ちます。

出走表を“再現可能な武器”にするための習慣

最後に、出走表を単なる情報源ではなく、“再現可能な武器”にするための3つの習慣を紹介します。

  1. 毎レース、出走表を撮影または保存する
    →データを振り返り、勝ち負けの要因を分析。数字の「意味」が見えてくるのは比較の積み重ねです。
  2. 展示後に“感覚と結果”を照らし合わせる
    →「展示タイム速い=結果出た」ではなく、“展示で見た通りの展開になったか”を確認。感覚的な印象と数字の関係を体で覚えます。
  3. 他人の予想よりも、自分の読みの再現性を重視する
    →的中率よりも、「同じ状況なら同じ判断ができるか」を指標に。これが真の実力であり、長期的な回収率を支える根幹です。

出走表の読み方を極めるとは、単に情報を覚えることではありません。

「データ→仮説→検証→修正」という流れを繰り返し、“読解を再現できる状態”を作ることです。

プロは、このサイクルを日々淡々と回しています。

出走表は競艇の“答え”ではなく、“問いを立てるための地図”。

数字の裏にある意図を読み、現場の変化を感じ取る――その積み重ねが、最終的に**「勝てる読み」**を形づくります。